こんにちは。兵庫県姫路市の歯医者、溝井歯科医院 歯科医師 院長の溝井優生です。
マウスピース矯正(インビザライン)を検討されている患者様にとって、最大の魅力は目立たないことだと思います。しかし、治療の説明を聞いているとアタッチメントという聞き慣れない言葉が出てきて、不安になる方がいらっしゃいます。
「マウスピースだけじゃないの?」 「歯の表面に突起をつけるって聞いたけど、それじゃあ結局目立つんじゃ…」
このように心配されるのは当然です。アタッチメントは、インビザライン治療において非常に重要な役割を果たす補助装置ですが、その存在や見た目については、意外と知られていません。
今回は、このアタッチメントとは一体何なのか、前歯についた時の目立ちやすさ、そして治療が終わった後に跡が残らないかなど、患者様が抱きやすい疑問について詳しく解説していきます。
目次
- ツルツルのマウスピースでは動かせない?アタッチメントの重要な役割
- 質問回答:前歯に付くと目立ちますか?
- 質問回答:外した跡は残りませんか?歯を傷つけない?
- 着色に注意!アタッチメントを目立たせないためのケア
- まとめ
1. ツルツルのマウスピースでは動かせない?アタッチメントの重要な役割
まず、アタッチメントとは何かをご説明します。これは、歯の表面に一時的に接着する、白いプラスチック(レジン)製の小さな突起のことです。大きさは数ミリ程度で、米粒よりも小さいものがほとんどです。
なぜこれが必要なのでしょうか。マウスピースは表面がツルツルしており、歯も同様に滑らかな形をしています。そのため、単にマウスピースを被せるだけでは、摩擦力が足りず、歯が滑ってしまいうまく力が伝わらないことがあります。
そこで、歯にアタッチメントという取っ手(ハンドル)をつけるのです。マウスピース側には、その突起がハマるくぼみが設計されています。この突起とくぼみがカチッとかみ合うことで、マウスピースが歯をしっかりと掴めるようになります。
これにより、歯を回転させたり、歯ぐきの方へ沈めたり、逆に引っ張り出したりといった、マウスピース単独では難しい複雑な動きが可能になります。つまり、アタッチメントは治療の精度を高め、期間を短縮するために欠かせない司令塔のような存在なのです。
2. 質問回答:前歯に付くと目立ちますか?
患者様が一番気にされるのが見た目です。特に、笑った時に見える前歯にアタッチメントがつくと、目立ってしまうのではないかと心配されます。
結論から申し上げますと、全く見えないわけではありませんが、ワイヤー矯正の装置に比べれば圧倒的に目立ちにくいです。
その理由は、素材と色にあります。アタッチメントに使用するのは、虫歯治療の詰め物などにも使われるコンポジットレジンという歯科用プラスチックです。これは、患者様の歯の色に合わせて数種類の色調から選ぶことができ、歯とほぼ同化する色で作られます。
また、形も非常に小さく、角が丸められているため、遠目に見れば歯の表面の凹凸のように見えます。さらに、その上から透明なマウスピースを装着すると、光の反射が変わるため、より存在感は薄れます。
至近距離でじっと見られれば「何かポチッとしたものがついているな」と気づかれるかもしれませんが、通常の会話距離であれば、ほとんど気づかれないレベルです。どうしても結婚式などのイベントで一時的に外したいというご希望があれば、対応可能な場合もありますのでご相談ください。
3. 質問回答:外した跡は残りませんか?歯を傷つけない?
もう一つのよくあるご質問が、治療終了後のことです。「接着剤でつけているなら、外す時に歯が削れたり、跡が残ったりしませんか?」という不安です。
ご安心ください。アタッチメントを外しても、跡は残りませんし、歯が傷つくこともありません。
治療がすべて終了し、保定期間に入るタイミングで、すべてのアタッチメントを除去します。この際、専用の器具を使ってレジンだけを慎重に削り取ります。その後、研磨用の器具で歯の表面をツルツルに磨き上げます。
歯科用の接着剤は、歯と一体化するほど強力にくっつきますが、プロの手によって適切に除去すれば、つけた場所がどこだったか分からなくなるほどきれいに元通りになります。エナメル質を削ることはありませんので、歯の寿命や健康に悪影響を及ぼすこともありません。
4. 着色に注意!アタッチメントを目立たせないためのケア
アタッチメント自体は歯に近い色をしていますが、生活習慣によっては目立ってきてしまうことがあります。それが着色汚れ(ステイン)です。
アタッチメントの素材であるレジンは、吸水性があり、天然の歯よりも着色しやすい性質を持っています。そのため、コーヒー、紅茶、カレー、赤ワインなどの色の濃い飲食物を頻繁に摂取すると、アタッチメントやその周りの接着剤が黄ばんだり茶色くなったりすることがあります。
歯は白いのに、突起部分だけが茶色くなると、どうしても目立ってしまいます。
対策としては、以下のことが挙げられます。 色の濃いものを食べた後は、早めに歯磨きをする 着色汚れを落とす効果のある歯磨き粉を使用する 定期的に歯科医院でクリーニングを受ける
また、アタッチメントの周りは汚れが溜まりやすく、歯ブラシが当たりにくいため、虫歯のリスクも少し高まります。普段よりも丁寧に、突起の周りを小刻みに磨くように意識してください。
まとめ
インビザラインのアタッチメントについて解説しました。
- アタッチメントは、マウスピースが歯を動かす力を助けるための重要な突起である。
- 歯と同じ色の素材で作るため、前歯についても目立ちにくいが、完全に見えないわけではない。
- 治療後はきれいに除去・研磨するため、跡が残る心配はない。
- 着色しやすい素材なので、食後のケアやクリーニングで白さを保つことが大切。
アタッチメントは、理想の歯並びというゴールにたどり着くための頼もしいパートナーです。最初は違和感があるかもしれませんが、数日で口の中の感覚も慣れてきます。
兵庫県姫路市の溝井歯科医院では、治療前のシミュレーション画面で、どこの歯にアタッチメントがつく予定かを確認していただくことも可能です。見た目に関する不安があれば、どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。